AVENTURE -君の名前を教えて-

車の走る音だけが聞こえていた。

チカが、私のことをよく思っていないことはわかっていた。
だからこちらから話しかけることもしなかったので、車内はとても静かだった。

「辛い思いをするのはお前だぞ」

沈黙を先に破ったのはチカだった。

「人の好奇の目にさらされ、お前のプライベートも、プライバシーもなくなる。それでもいいのか?」

チカの言葉に、私は小さく頷いた。

「…正直、よくはないけど。それでも、アヤの助けになるなら、力になりたい」

ふん、と鼻を鳴らす。

吹っ切れてしまえばなんのことはない。女は結構強くなる。

「だが、それを望まない者もいる」

「アヤは望んでる。他がどうとか、そんなの関係ないし、しったこっちゃない」

そして、図太くもなる。