AVENTURE -君の名前を教えて-

「わぁ…！」

これから数日間滞在するホテルは、長期宿泊になるのでできるだけ安いところにしてもらっていた。


お布団とシャワーがあって、安く泊まれるところならどこでもいい。


旅行会社のお姉さんにそう言ったところ、5泊、日本円で2万5千円で2人で泊まれるところがあると、ここはオススメだからと紹介され、私は即決したのだが。

案内された部屋は、壁や天井は白で統一されていて、壁には油絵が飾られており、まるで何処か貴族とかでも住んでいそうな雰囲気を醸し出していた。
泊まるだけのホテルと思っていたのに、何故か部屋は2部屋もあり、1部屋には、2人で泊まるというのに、5・6人くらい呼んで、パーティーでもやるのか？というような大型のソファとテーブルが置いてあり、さらにもう1部屋には、明らかにキングサイズと思えるでかさのベッドが置かれていて、側には綺麗なバラの花が生けられた花瓶まで置かれてあった。

「こ、こんな豪華な部屋、ほんとに私の予約した部屋なのかな…」

最初は部屋の豪華さに嬉しくなったものの、部屋が間違ってるんじゃないかと、だんだん不安になってきた。