AVENTURE -君の名前を教えて-

「えっあの…お会計!?」

「大丈夫だから!」

「えぇっ!?」

そのまま、いつの間にきていたのか、黒のリムジンが店の前に止まっていて、その傍らにチカが立っていた。

「チカ、これはこの子の分の招待状よ」

そう言って、あの封筒を手渡した。

「…本気、なのですね」

諦めたように言うと、トランはニッコリと笑った。

「私たち、諦めが悪いのよ。それも、人一倍ね」

チカはそれ以上は何も言わなかった。
ただ、無表情に、車のドアを開けた。

「私も後から追いかけるから、頑張んなさい!」

「はい!」

トランに言われて、私も大きく頷いた。

チカは、ドアを閉めると、運転席に移動し、バックミラー越しにこっちをチラリと見て、ため息を小さくつきながらも、リムジンを出発させた。