AVENTURE -君の名前を教えて-

「お前は、笑っているのが一番だ」

柔らかく微笑むアヤに、私はドキッとした。


…久しく感じてなかったな、そういえば。


何かにときめくなんてこと、思えばこの数ヶ月なかった気がする。

「無理に元恋人を忘れる必要もない。そいつより俺の方がいいと、すぐに思うようになるからな」

「すごい自信」

苦笑する私の隣に、アヤは椅子をよせてきた。
カフェから見える、赤く染まった海に、キラキラと光が反射するのがとても綺麗だった。

「俺はむしろ感謝しているくらいだ」

アヤの言葉に怪訝そうな顔をした。

「そのお陰で、俺はお前に堂々とこんなことまでできる」

そう言って、いきなりキスをされた。

「忘れる必要はない。笑ってそのお陰で、こんな素敵な出会いがあったと、そう思え」

ニヤリと笑うとアヤに、私は苦笑しながらも、頷いた。