AVENTURE -君の名前を教えて-

「ぐわっ!」

半ば諦めぎみに相手の方へと走っていると、少し先で変な声が聞こえてきた。
私は首をかしげながら、そのまま走っていくと、そこには、私のバッグを持った男の人と、床にのびているひったくりがいた。

「あっ!」

その姿を確認して私は思わず声を上げた。すると、男の人がニッコリと笑って近づいてきた。

「大丈夫?」

「へっ?」

日本語で金髪碧眼の男の人に話しかけられ、思わず変な声をだしてしまった。

「どこか怪我したとか、ない?」

また日本語で聞かれて、思わず頭をぶんぶんと縦にふった。