AVENTURE -君の名前を教えて-

「それより!私のことなんて今はいいのよ。あなたのことよ」

「へっ?」

「あなた、今でもまだフラれた彼のことが好きなの?」

「そ…そんなことは…」

アイツのことを思い出す。
そして、アヤの家で、お風呂場で泣いたことも思い出した。

「どうなの?」

お兄さんに詰め寄られて、私は思い切って思ったことを口にしてみた。

「…わからないんです。何年も付き合ってきて、もしかしたらこのまま一緒になるのかもって、時々…ホントに時々だけど、思ったこともあったし。アイツのこと、好きだったんだって…分かれた後に実感したんです。でも…」

突然、アヤの顔が脳裏をよぎった。

「アヤのおかげで、私、気づいたら笑ってたんです。この国に来る直前に、あんな最悪なふられ方したのに」

苦笑する私に、お兄さんはうんうんと相槌をうってくれた。