AVENTURE -君の名前を教えて-

暫くの沈黙の後、先にその沈黙を破ったのはお兄さんだった。

「出会いはあったかしら?」

お兄さんが私の様子を見て、にっこりと笑いながら聞いてきた。
私は聞かれて、こくんと頷いた。

「ふふ、言った通り、出会いがあったでしょう?」

楽しそうに笑うお兄さんに、私も思わず笑った。
でもすぐにその笑顔は止まる。


出会いなんて、なければよかったのに。

そしたら、こんな風に辛い思いなんてしなかった。



「で、今はその人と何かあって、泣いてたんじゃない?」

お兄さんの口から出た言葉に、私は驚き、思わず目を大きく見開いた。