剣と日輪

 横浜へ西下する車中で必勝は、
「先生の介錯を俺が仕損じたら、御前に頼む」
 と小賀に頭を垂れた。小賀は四名の隊員中、最も剣技に長けている。
「分かった。任せとけ」
 小賀はドンと引き受けてくれた。
「自刃」
 というものは、それだけで莫大なエネルギーを費やす。必勝は、
(先生の介錯もし、切腹もする。そんなことができるだろうか)
 とやや不安であったが、これで吹っ切れた。
「有り難う」
 晴れ晴れとした必勝は、
「港横浜」