剣と日輪

世界に誇る荒鷲の
翼伸ばせし幾千里
輝く伝統受け継ぎて
新たに興す大亜細亜
我等は皇軍戦闘隊
(作詞田中林平・旭六郎。作曲原田喜一・岡野正幸。ビクターレコード)

 殉国の師弟に続き、小賀が、
「白い花が咲くころ」
 を、小川が、
「昭和維新の歌」
 を、そして古賀は神風特別攻撃隊員の遺詩を朗読し、師と盟友に贈ったのだった。こうして楯の会隊員達との
 深密な別宴は暮れてゆき、五人は別意を押し殺したのだった。

「三島由紀夫展」
 が、池袋にある東武デパート七階大催事場にて十一月十二日から十七日迄開催される事になった。開催前日、公威は瑤子を伴い会場をチェックして回った。
 この展示会は公威の発案通り、
「書物の河」
「舞台の河」
「肉体の河」
「行動の河」
 の四つの大河が、
「豊饒の海」