公威が復隊した後も、練士(れんし)は続いた。三月の下旬になると骨折も癒え、必勝の練武(れんぶ)にも磨きがかかってきた。主任教官や助教とも親族のように親密となった。
瞬く間に三月三十日土曜日となり、祖国防衛隊のひよっ子達は、体験入隊終了の日を迎えたのである。
「一人の脱落者も無かった」
と公威は満胸(まんきょう)の思いだった。自衛隊員と祖国防衛隊員は一卵性双生児の如く以心伝心の間柄となり、
「惜別の涙(るい)香(か)」
をバックグランドミュージックにして、二十一名の青(せい)瞳(どう)は、用意された貸切バスに乗り込んだ。
「御元気で。又会いに来ます」
必勝は自衛隊員に車窓から手を振った。
「何時でも会いに来いよ」
国防の責務に身を捧げる自衛隊員にとって、期間が満了すれば去る彼等の体験入隊は、
「兵隊ごっこの様なもの」
瞬く間に三月三十日土曜日となり、祖国防衛隊のひよっ子達は、体験入隊終了の日を迎えたのである。
「一人の脱落者も無かった」
と公威は満胸(まんきょう)の思いだった。自衛隊員と祖国防衛隊員は一卵性双生児の如く以心伝心の間柄となり、
「惜別の涙(るい)香(か)」
をバックグランドミュージックにして、二十一名の青(せい)瞳(どう)は、用意された貸切バスに乗り込んだ。
「御元気で。又会いに来ます」
必勝は自衛隊員に車窓から手を振った。
「何時でも会いに来いよ」
国防の責務に身を捧げる自衛隊員にとって、期間が満了すれば去る彼等の体験入隊は、
「兵隊ごっこの様なもの」


