ハルジオン。

「おい」

「だから何?」

アキトが煩わしそうに振り向く。

「お前さ、その螢の泉とやらの行き方知ってるのか?」

「知らないよ」

「行ったことは?」

「ない」

「はあ?さっきお前、行くよって言ってたろうが」

「探しに行くよってことに決まってるじゃん」

「マジかよ。それでよく平気でいられるな」

「え?」

達也の言葉を理解しかねた様子で、アキトが首を傾げる。

「いやだから、もしその螢の泉にたどり着けなかったら、俺たちはどうなんだって聞いてんだよ」

「ああ……」

アキトは肩を落とした。