ハルジオン。

「で、もう一度聞くが、俺は朝まで寝ちまってたのか?」

達也は腕を組み、近くの岩にどっかと腰を下ろした。

どうしてもまだ、少年の言葉を信じることができないのだ。

「はあ……」

再びアキトがため息をつく。

「オジサン馬鹿だろ?」

「な」

「もし一晩中、山ン中でそんな格好で寝てたら、普通寒くて起きるって」

「……それは」

まあな、とそれっきり押し黙る。

ぐうの音も出ない。

アキトの言うとおりだ。