ハルジオン。

「あのさ、オジサンいい加減現実を受け入れたら?」

「おじ……」

達也は絶句し、ツカツカと少年の元に詰め寄った。

「俺はまだハタチだ!」

「僕は七才」

「……だから何だ?だいたい何でその別世界とやらにガキが一人で」

「アキト」

「あ?」

「僕の名前。人を照らすと書いてアキト。旅人に付けてもらったんだ」

「旅人?」

達也はガクリと肩を落とした。

あと十分もここにいれば、頭が変になりそうな気がした。