ハルジオン。

「……何を馬鹿な」

達也は呟き、もう一度深く立ちこめる霧の奥に目を向けた。

目が覚めると、朝……?

確かに、もし今が夕方なら、すぐにでも陽が陰っておかしくない時間だった。

なのに、

「……空が白んでやがる」

達也は目眩を覚えた。

つまり、今は夕方の六時ではなく、朝の六時なのだ。

「おいガキ!どういうことだ?」

「何が?」

「だから何で朝なんだ?!」

「知らないよ」

少年は深々とため息をついた。