「お前がやれよ。言い出しっぺだろ」

「僕はいいよ」

「じゃぁ……」

二人の目線が何となく一点に向かう。

「あ、あたし?」

どこか思い詰めた様子で俯いていた百合子が、二人の視線を感じて顔を上げた。

「そうだな」

「だね」

「でも」

「いーから、ほら!」

靖之が百合子の手を引き、アルミ缶の前に立たせる。