ハルジオン。

「きゃぁぁぁぁ!」

百合子の悲鳴を残し、篤史は数メートルほども吹き飛ばされ、積み上げられていた段ボールを体ごと押しつぶした。

「何やってんだコラァ!」

達也は吠えた。

「畜生ォォォォ!」

「止めて!止めてよたっちゃん!」

百合子の制止を振りほどき、達也は篤史に馬乗りになって拳を振り下ろした。

何度も、何度も、

拳を握りしめ、打ち付けた。