やがて汽車が速度を上げると、トラックはじわじわと引き離されだした。

すぐに川に差し掛かる。

農道が分岐した先に潜水橋があった。

二年前の光景が蘇る。

自転車を脇に止め、セーラー服をなびかせる百合子の姿……


「絶対待ってろよ!」

あの時百合子に言えなかった言葉を、達也は靖之に向かって大声で叫んだ。


ビビビビビーーーーーッ!!!

靖之は潜水橋の上でひときわ大きくクラクションを鳴らすと、トラックの荷台に飛び乗り、両手で大きく手を振った。