「で、どうだった?」

百合子が笑顔を向ける。

「別に」

「またそんな。初めてでしょ?お墓参りに行ったの」

「まあな」

達也は頭を掻いた。

昨夜、遠野から戻った達也はホテルで一泊し、朝になって裏山に登ったのだ。

そこには父・篤史の墓があった。


「……で?」

「幾つか親父と約束してきたよ」

「約束?どんな?」

「言わない。てか言えねえ」

「何よそれ?」

百合子が頬を膨らませる。