ハルジオン。

「分かるんですか?」

「そりゃあ……」

達也の祖母・房子は、ああ……と皺だらけの手を合わせ、

「よお来てくれたなあ」

と言って地面に両膝をつき、何度も何度も達也の手を撫でさすった。



「……悪いねえ。用意がなくて」

それからしばらくして、房子は二人を家に招きいれ、達也が持参したお茶菓子を皿に乗せて縁側に現れた。

「いえそんな。突然お邪魔したのはこっちの方ですから」

百合子が恐縮する。