「……おばあちゃん、よね」

「ああ」

達也はそれをコタツの上に置き、母の位牌を見つめた。

母を亡くしたのが四歳。

それ以来、達也は母方の親族と一度も会ったことがない。絶縁状態だったのだ。

『アイツが逸子を殺したんじゃ』

そう言った祖父の声が蘇る。

達也の肩を抱く腕の強さを、今でもズッシリと覚えている。

怖かった。

何もかもが。

二年前に家を出た時にも、行先を知らせたりはしなかった。

だからこの家に届いたのだろう。