ハルジオン。

初めて百合子を見た時、靖之の体を雷が貫いたことを今でも覚えている。

一目惚れだった。

その日以来、靖之はずっと百合子を想い続けてきた。

側にいつも百合子がいた。

元気に笑っていた。

好きだ。

何度もそう思った。

でも、告白はできなかった。

今の関係が壊れるのが怖かった。それも一つの理由ではあった。

ある時気付いたのだ。

百合子は達也のことが好きなのだと。