(一)


気が付けば、達也は見慣れない寺の境内に立っていた。

……どこだ?

まだ霞の晴れない頭で、ゆっくりとあたりを見渡す。

『夢でも見ているんだろうか?』

そう思ってから、待てよ、と達也は眉間に皺を寄せた。

見慣れない、というのはどうやら嘘で、つい最近同じ場所に来たことがあるような気がしたからだ。

『……ん?』

背後に煙の匂いを感じて振り返る。

そこには、それこそ見慣れない数人の子供達が集まり、焚き火をしていた。