「う……わぁあ!」

アキトの視界の端で、森の景色が後方に吹っ飛んでいく。

風の通り道が見える。

ざわめきが聞こえる。

翼を広げ、紺碧の夜空に舞う鳥の飛影が目の前で優雅に舞う。


飛んだ……

僕は今、空を飛んでいる!

そう思った瞬間、目の前に達也の広い背中が見えた。

「いいぞ!アキト!」

その背中に必死にしがみつきながら、アキトは微かにそう叫ぶ達也の声を聞いたような気がした。