「行くぜーー!」

ダダダダダダッ!

大声を張り上げ、太い木の枝を空に向かって走り出す。

「ちょ!待って!」

手を繋いだアキトが達也に続く。

その表情にはもう迷いはない。

「飛ぶぞ!アキト!」

「……うん!」

「俺たちは飛べる!」

「飛べる!」

達也の大声に驚いた野鳥が、一斉に森の木々から飛び立つ。

「行っけぇええーーー!」

――ダンッ!!

大木から勢いよくジャンプした途端、突風が二人の背中を駆け抜けた。