ハルジオン。

「いやいや」

「行くぞ!」

「ちょっ……無茶言うなよ!落ちたら死ぬんだよ?!」

達也に強引に腕を引かれながら、アキトは必死に訴えた。

「大丈夫だ。俺を信じろ」

「信じられるわけないだろバカ!」

「あのな」

木の幹にしがみつき、一歩も動こうとしないアキトに、達也はため息をこぼした。

「でもだの嫌だの無理だの……なんでお前はそうなんだよ?」

「はあ?だって」

「それ!……だって、でも」

達也に突っ込まれ、アキトは憮然とした表情で押し黙った。