このままじゃ八方ふさがりだ。

「……あん?」

その時、森の異変にいち早く気付いた達也が声を上げた。

「何?どうしたの?」

「アキト……見てみろ……」

「……?」

言われたとおり、アキトは達也が指さす方を見た。

「螢の泉に何か……あ!」

言いかけたきり、アキトは目の前の景色に息を呑んだ。

「泉が……」

「ああ、移動してやがる」

「……嘘だろ?」

信じられないといった様子で、アキトがゴシゴシと目を擦る。