(五)


突然の提案に、アキトはきょとんとした顔で達也を見上げた。

「……木登り?」

「ああ」

「あのさ、時間ないんだよ?そんなことやってる暇なんて」

「だーかーらーッ!」

大声でアキトを制し、達也は続けた。

「だからこそやるんだよ」

「何言って」

「まぁ聞け。樹齢何年だか知らねーが、この木はご神木っつってな、この森の中でも飛び抜けてデカイ。だろ?」

「……それで?」

腕組みをしたアキトが口を挟む。