「トランプは持ったか?」

「うん……」

「じゃあしっかりズボンのポケットにしまっとけ。それとその赤テープは捨てろ」

「でも……」

「いーから捨てろ!」

達也に言われ、アキトはしぶしぶテープを投げ捨てた。


「うし」

達也はそこで言葉を切り、アキトの顔を覗き込んだ。

「どうだ、アキト」

「……何?」

「木登りでもやってみるか?」