ハルジオン。

何を言っても、どう声を掛けたって、アキトの痛みを和らげてやることはできない。

それは、誰よりも自分が一番良く分かっていることだった。

達也は夜空を見上げた。

風のせいだろうか、さっきからやけに森が騒いでいる。

タイムリミットまで、果たして後何時間あるのだろう?

……分からない。

それでも、何が何でも螢の泉に行かなければならない。

「どうすれば……」

もう迷っている時間は無い。