ハルジオン。

「僕、捨てられちゃうのかな?」

「……アキト」

「母さんに……」

堪えきれずに嗚咽をこぼす。


ボロボロにすり切れたトランプを懸命にかき集める手が、

たった七才の小さな手が、

冷たく震えていた。


「アキト……」

「ねえ、もし……もし母さんに捨てられたらどうしよう?」

喉が鳴る。

「森から戻って、朝起きて、母さんが居なくなってたら僕、もう母さんに会えなくなる……嫌だ……そんなの嫌だよッ!!」