ハルジオン。

『このほら穴はな、あいぜんくつって言ううんだ』

『あいぜんくつ?』

『そうだ。で、こっちの木が、この洞窟を守るご神木だ』

『ごしんぼく?』

『ああそうだ。……どうだ達也、木登りでもやってみるか?』

『きのぼり?』

『なんだ、やったことないのか?』

『……うん』

『これをできるようになったら、きっと新しい学校で人気者になれるぞ。よし、今から父さんが教えてやる』

『ほんと?!』

『ああ。見てろ……』