「痛って……そんなムキになって怒ることねーだろーが」

「バーカ!」

「こンの……おま」

「あ……」

――とその時、

達也のパンチを交わし、前を向いたアキトの足がピタリと止まった。


「ん?……おいコラ、突っ立ってねーでゴメンの一言くらい……アキト?」

「……」

「あ?」

まるで肩の力が抜けたように愕然と立ちつくすアキト。

その視線の先に目を遣り、

「マジかよ」

達也は思わず呟いた。