その日、百合子は店を休んだ。

年末の忙しい時期だったけれど、とても体が動いてはくれなかった。

「ゴメン!休ませて!」

店の同僚に詫びのメールを送る。

それから翔のアドレスを開いたところで手が止まった。

三日後には正月休みに入る。

有休を使おう。

全部使おう。

そう決めて、裸のままベッドに潜り込んで泣いた。


『さよなら、翔』

たった一行そう書いたメール。

けれど、結局それを送信することはできなかった。