ハルジオン。

自分の選択が間違っていることくらい、百合子には痛いほどよく分かっていた。

こんな関係が長くは続かないことも、いつか自分の気持ちが翔を傷つけてしまうであろうことも……

分かっていた。

分かっているつもりだった。

彼の部屋のベッドで抱かれ、汗を絡ませている時でさえ、百合子は翔に達也の姿をだぶらせていた。

なんで?

どうしてこんなことになってしまったんだろう……?

意味もなく涙が溢れた。

毎日が後悔の繰返しだった。

何度会社を辞めて、街を出て行こうと思ったことも一度や二度じゃない。