ハルジオン。

あの収穫祭の日以来、達也はハッキリと百合子を避けるようになった。

いくらでもいい訳はできた。

篤史の求愛は一方的で、けして同意の上での行為ではなかった。

素直にそう言えば良かった。

けれど、できなかった。

怖かった。

達也が去っていく列車を、潜水橋の上からただ見送ることしかできなかった。

だから……

百合子は翔を受け入れた。

まるで、一生消せない達也への罪滅ぼしをするかのように。

そして翔もまた、百合子に癒しを求め、彼女の体に溺れていった。