ハルジオン。

「母さんのこと、好きだから」

「何で?」

「何でって……」

「男作って邪魔者扱いされてんだろ?それでもいいのか?」

「……うん」

川面に広がる波紋をじっと見つめ、アキトはトランプを握りしめた。

いいわけがない。

でも……

「と、時々は優しいんだ。頭だって撫でてくれるし。アイツさえ来なけりゃきっと母さんは……」

「アイツ?……ああ」

問いかけて、母親が作った男の事かと当たりをつけ、言葉を飲み込んだ。