ハルジオン。

「……辛気くせぇ」

「え?」

「うざってえって言ってんだよ」

「オジ……」

「オヤジが蒸発しただの、母ちゃんが男作ってのけ者にするだの、暴力だの死別だのイジメだの!」

「死別?」

アキトが怪訝な顔で達也を見る。

「暴力って、オジサン……」

「うるせえ!」

――ドボンッ!

アキトの言葉を遮り、達也はもう一度小石を川に叩き込んだ。