私の勝手な勘違いが解決した後、茶道部の先輩方や見学の一年生がだんだん集まってきました。
中には拉致に近い形で連れて来られた方もいるみたいです…。
何にせよ、静かだった茶室が少しずつ賑わって来ました。


「そろそろお点前の時間かな。それじゃ、僕は準備があるから行くけどゆっくり見学していってね。
あと、足痺れないように気をつけて。」


またニコリと笑って八束先輩は襖の向こうに消えて行きました。

「八束先輩のお点前どんなだろう?楽しみだね、諒ちゃん!」

「それも楽しみだけど、あたしは茶菓子とあさかが足痺らせるトコも楽しみ。」


…この食い意地張ったサドを誰かつまみ出して下さい。

あ、私ったらついつい黒いところを出してしまいましたね。失礼しました。



他の先輩の呼び掛けでキッチリ畳に沿って座り直して、いよいよ、八束先輩のお点前が始まります。