想い、果てるまで




私がずっと黙り込んでいると、紫波は溜め息を吐いて、その口を開いた。



「………分かったよ」


面倒くさそうに頭をわしわしと掻く。


「じゃあ、全校リレーの前にお前を呼びに来るから、それまで大人しく寝てろ」


「…いいの?…応援とか…」


「そこの窓から見えるだろうが。しっかり俺の騎馬戦の勇姿を見てろよ」



そう言った紫波の顔は、やっぱり凄く眩しくて、遠くて、


「………うん」


私はそう返事することしか出来なかった。




「じゃあもう寝ろ」


「うん」


私が再び横になると、紫波は珍しく毛布を掛けてくれた。



そして、私の目の上に、そっと自分の手を覆いかぶす。





「お休み」



………うん。


おやすみ。





紫波の手はとても冷たくて、それは彼の心の冷たさを表しているのか、どっちにしろ今の私には凄く心地よかった。