「………お前、何かあった?」 紫波は、いつだって私の心を見透かしてくる。 「ううん。何にもないよ?それより、私もう帰んないと行けないんだ!」 家に帰っても、誰も待ってる人なんかいないんだけどね。 とにかく、早くこの場を離れたいの。 「それじゃあ、また今度ね!バイバイ紫波!」 「……おう」 それだけの挨拶を交わしたら、私は家への道を歩き出した。 と、その時、再び後ろから声を掛けられる。