でも、綺麗なものを言葉では表せないように。 辛くて苦しい現実を綺麗事でしか、表せない。 「周りの大人と、同じようなこと、言うんだね。」 「…一応、年上だからね?」 「じゃあ大人な桔梗さんに聞くけど、過去の未来の間に『今』はないの?」 さっきとは違う、警戒した声。 それは目に見えてた。 「…あるよ。でも、『今』は一瞬しかない。」 「だったら、『今』を大事にしても良い…」 「駄目、なんて言ってない。ただ、『今』だけを大事にして、未来や過去を粗末にしないでってこと。」