不器用な僕等の唄を


それから、なんだかボーっとしたまま海を見ていた。

他愛もない話をした。

最近、暑いこと。
期末試験で酷い点を取ったこと。
昨日のドラマのこと。

見知らぬ他人な少年は、何処か知ってる感じ。







私は立ち上がる。

腕時計を見ると、もう12時。

「…帰ろ?」

「は?帰らないって、」

「終わったことに後悔するのは良いけど。今からある未来から逃げるのは良くないと思う。」

カイは顔をしかめる。

それはそうだと思う。

私が言っているのは、綺麗事に過ぎない。