不器用な僕等の唄を


そんな返事に、カイは首を傾げた。

「お母さんと喧嘩したの?」

質問をされない内に、質問を返す。

「両親と。兄ちゃんが、優秀だったからさ。同じ高校に行かせたがってんの。」

自嘲的に笑う。

「まぁ、本音は行きたいと思ってる自分にも腹立ってる。」


何がこんなに、私達をもどかしくさせるの?

原因なんてないはずなのに、探してしまう。


「桔梗さんは?『なんとなく』の中にも、少しは思う要素あるんじゃない?」

同じ“妹”や“弟”だからこそ、分かるものがあるのかもしれない。