不器用な僕等の唄を


いつもはお母さんがお弁当やら何やら作ってくれるから、コンビニのおにぎりなんて久しぶり。

かじったおにぎりには、『愛情』は注ぎこまれている?

くだらない事を考えながら、カイに質問をする。

「なんで家出したの?」

頬ばったサンドイッチをしゃくしゃくと噛み砕く音。

カイはこっちを向く。

「通知表、悪かったから。」

おぉ…リアル。

「桔梗さんは?」

タメ口だけど、年上だって事は忘れていないらしい。

「…なんとなく。」

私は答えに詰まって、そんな曖昧な答えを口にした。