不器用な僕等の唄を


アスファルトの上を歩くのは蒸し暑かった。

ビーチサンダルのカイはペタペタと慣れたように歩く。

「なんか…、梅雨が恋しい。」

「知ってた?夏は梅雨に片想いしてんの。」

カイは物知りだ。

誰かに似てる。

あ…お姉ちゃん。

いや、そうじゃなくて────


「うわ、凄い!」

凄いなんて言葉では表しきれないほど。

夜の海は真っ暗。

街みたいに街灯がないから、どこまでも真っ暗。

さっきの場所に戻って、私達は夕飯を食べる。