靴箱の上に乗り、多分お母さんの趣味であろうマグカップに鼻を突っ込む。 何かあんの? 眉を寄せて、こっちを見上げたシリウスの瞳を通り越してマグカップの中を見る。 指輪があった。 お母さんの?まさか、置いていったとか? それを触って持ち上げると内側に文字が掘ってある。 背中に冷たいものが走った。 胸の辺りのシャツをグチャッと握る。 『AKUTSU and YUKIHIRA』 阿久津…。 雪比良といつも一緒にいる女子。 付き合ってるのかどうかは怖くて聞いたことは無いけど。 現実は甘くない。