不器用な僕等の唄を


少しゆっくり歩きながら雪比良に言う。

「ねぇ?」

「あ?」

「何年一緒にいる?」

あたしは足元を見て、散った花びらを見つめた。

あれから…雪比良に出会ってどれくらい経つんだろうか。

「中2からだから、5度目の春。」

「じゃあ4年目か。」

「長いな。」

これが最後になるかもしれない。
来年は就職か大学だから。

目を細める。

中2の夜、紘波が街に雪比良を連れてきた。

バンドをやりたいと言って。

初めて会った時、服が黒尽くめだったからかイメージが夜。

「本当にね。」