不器用な僕等の唄を




「『大丈夫?あがり症ちゃん。』」


頬に当たる温かい感触と上から降る声に頭を上げる。
頬に当たるのは温かいお茶。

声の主は…

「透子ちゃん!」


初めて会った時もそうだった。
自己紹介であがった私に透子ちゃんは声をかけてくれた。

驚きすぎて大きな声を出すと、透子ちゃんは綺麗な顔を歪める。

「あ…ごめん。」

「それくらいの勢いで演技すれば良いのに。」

呆れているけど、怒ってはいないみたい。

「王子役が野田のこと、呼んでたけど。」

透子ちゃんがステージ裏を見る。