その後見た映画の内容はあまり覚えていない。

ただ、最後はハッピーエンドで。
気分には合わない気がした。







「…王子様、私はもう行かなければなりません。」

「待ってください!」

阿久津さんは私に手を伸ばすけれど、私はそれをすり抜けていく。

「出来るじゃん。」

王子から阿久津さんに戻り言ってくれる。

「でも、大勢の前ではあがるんだよね。」

「…うん。ごめんね、付き合ってもらって。」

あがり症な為、わざわざ阿久津さんが個人練習に付き合ってくれている。