不器用な僕等の唄を




呑気に子供が噴水に入って遊んだり、縄跳びをしている。

夏の午後なのに元気だなぁ、子供って。

そう考えると、あたしの住む街もここも変わらない。

「…陸上の練習は?」

そんな様子をぼーっと見てるあたしに、誠は話しかけてくる。

「ない。」

「電車乗って?」

「電車とバス。」

…そういえば、さっき一緒にいたボブカットの彼女も、普通の顔立ちだった。

「…あの彼女、誰?」

直球で聞く。

あやふやな空気のまま、誠とちゃんと喋りたいとは思わない。